030549 ランダム
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Hobby the world?

Hobby the world?

肆話

八咫の使いとしてクーンとかいうのが来た

言動から、ジークではないかと思って、カマをかけてみたら、あっさりと自爆した

別に確信があったわけじゃなかったから、こうもあっさり行くとは思わなかった

彼ってこんなに単純な人だったの?

まあ、シュトラールにとって、そんなことは如何でもいいんだけどさ

私にも関係ない

さあ、“僕”を演じよう

このTheWorldでの自分を



リアルの華音を脱ぎ去って










知識の蛇に案内すると言われて渡されたのはギルドのゲストキー

ギルド名は、発音しにくいから省略

ゲストキーのギルドに入ってみると、中は普通の@ホームと変わりはない

「八咫は?」

「この奥さ」

「わかった」

知識の蛇

いかにも堅物が居そうな名前だ

そして、案内されるままに@ホームの二階部分に上がり、奥に続く通路へと足を踏み入れた

奥は、とても広い空間だった

左右の壁にいくつものモニターが設置され、TheWorldを映し出している

「ここが知識の蛇だ」

「ここが…」

なる程、確かに、知識の宝庫――蛇――と呼べるだろう

「八咫、頼まれた奴連れてきたぞ」

「ご苦労。下がっていい」

「君が八咫?

初めまして?」

「…」

「“僕”に何の用?」

「君は、モルガナを知っているか?」

「それを聞いて如何する?」

「これから話すことはモルガナを知っていることを前提に話す」

「…わかった。君は、“僕”に前TheWorldのプレイヤーとしての見解を述べてほしいということだね

“シュトラール”としては、シリアス面は、あまり持ち合わせていないんだけどね…」

「それは、暗に他の君ならば、シリアス面を持ち合わせている、と?」

「さあね☆

今の“僕”は“シュトラール”だよ

でも、本当に“シュトラール”が“僕”かどうかはわからない」
「君らしい言い方だ

7年前とまるで変わっていない」

なる程ね。7年前の同志ということか

まあ、大方、バルムンクかワイズマンだろう

彼らは、TheWorldの平和を特に望んでいるからね

「“シュトラール”にも“危険分子”があるの?」

「使い方一つで善にも悪にもなる」

「さながら、黄昏の腕輪のよう…ってところかな」

「そのようなものだ」

「僕に如何してほしいの?」

「我々に協力してほしい」

「具体的には?」

「我々は、一部のPCに宿っているモルガナ因子を持つ者たちを碑文使いと呼んでいる」

「モルガナ因子…

八相のデータをサルベージしたの?」

「理解が早くて助かるよ」

「“シュトラール”には、八相の力を増幅、もしくは消し去る力がある

そんなとこ?」

「そうだ」

「なる程にね。わかったよ

今のところ開眼してるのは何人?」

「確認できているのは4人だ

うち2人は、こちら側についている」

「クーンと他にもう1人?」

「そうだ」

「死の恐怖は、まだ開眼してないってことだね」

「…」

「で、もう1人の碑文使いは?」

「今は、ここに居ないが、パイという女性PCだ」

「…わかった

できうる範囲で補助にあたろう


じゃあ、あとの2人…こちら側にいない碑文使いについて教えて貰おうか」

「1人は、魅惑の恋人マハの碑文を持つエンデュランス

もう1人は、再誕コルベニクの碑文を持つオーヴァン」

「エンデュランスも碑文使いだったのか…」

いや、彼ならありうるな

ミア…マハにいっつもひっついていたからね

「クーンとパイの碑文は?」

「クーンが、増殖のメイガス

パイが、復讐するものタルヴォスだ」

「第三と第七か…」

あとは、第一死の恐怖スケィス、第二惑乱の蜃気楼イニス、第四運命の予言者フィドヘル、第五策謀家ゴレ

この4人ということか

「八咫も碑文使いなの?」

「ああ。まだ開眼はしていないが、第四だ」

「フィドヘルか…

全ての碑文使いが開眼し、尚且つ、こちら側についたら教えて

そのときに“僕”は力を貸すよ


と…そろそろ落ちさせてもらうよ

一応は学生だからね」

「わかった

では、条件が揃い次第連絡しよう」

こうして、僕は、知識の蛇――プロジェクトG.U.――に助力することを決めた











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